形式:WEB講演会
URL:https://sec.tobutoptours.co.jp/web/evt/19th-ocular-surface/
会費:1,000円(日本眼科学会生涯教育認定事業)
プログラム
Ⅰ.パネルディスカッション(16:00~17:00)
「症例検討―何を考えますか」
角結膜疾患は、治療効果が顕著に現れる一方、初期診療の誤りは重篤な病態を招くことも多く、正確な診断と的確で速やかな治療が要求されます。今回の症例検討は、我々世話人が症例を呈示し、病態の見方、鑑別診断、治療法などをお互いに討論し合いながら解説します。会場の先生方もご自身ならどう治療するのか、パネラーの気分で参加してみてください。
Ⅱ.特別講演(17:00~18:00)
「角膜移植になる2大疾患:円錐角膜とFuchs角膜内皮ジストロフィ」
宮井 尊史 先生 (東京大学医学部附属病院 角膜移植部 部長・准教授)
円錐角膜は、角膜中央下部が突出して不正乱視を来たす疾患であり、屈折矯正のためにはハードコンタクトレンズが必要になる疾患である。疾患が進行すると急性水腫を来したり、ハードコンタクトレンズが乗らなくなるなどして角膜移植が必要になる疾患である。最近では進行を止める治療として、リボフラビン(ビタミンB2)を点眼して、角膜実質に浸透させ、長波紫外線(UV-A)を照射することによりコラーゲン線維を架橋させる角膜クロスリンキングが登場し、進行を止める治療としての効果が示されてきている。
米国ではFDAで承認されている角膜クロスキングであるが、本邦では未承認であり、臨床研究または自由診療の枠組みでしか行えない現状がある。
Fuchs角膜内皮ジストロフィは、角膜中央よりデスメ膜の肥厚による滴状角膜を特徴とする両眼性、進行性の変性疾患であり、ここ数年で病態への理解が著しく深まった疾患である。
遺伝子解析研究により、TCF4遺伝子のトリプレットリピート伸長が主要な遺伝的変異として知られるようになってきており、その病態には酸化ストレス、ERストレス、ミトコンドリア異常などを介した角膜内皮細胞のアポトーシスが関与することがわかってきている。
世界の角膜移植のサーベイランス(Gain P et al. 2016)では、世界で行われた18万眼の角膜移植のうち、Fuchs角膜内皮ジストロフィが約39%で第一位、円錐角膜が約27%で第二位であり、この2疾患で角膜移植全体の2/3を占めている。
本講演では、これらの角膜移植になる2大疾患の病態や治療などについて解説する。